目次
- 開発のきっかけ
- 開発は驚くほどスムーズだった
- 開発環境
- 意外な壁、ハードウェアの更新
- 審査依頼とプライバシーポリシーの準備
- 一番の難所だった「屋号」への変更
- リリースしたアプリたち
- 収益が出るか
- Webアプリも作ってみた
- かかった費用と期間
これまで「アプリのリリースは調べることが多くて大変そう」と敬遠していましたが、生成AIが活用できる今なら自分でもできるのでは?と思い立ち、実際にアプリをリリースしてみました。今回は、開発から公開後の現在までを一本にまとめてお届けします。
◆ 開発のきっかけ
愛用していた暦変換アプリが配信終了してしまったことが始まりです。代替アプリは他にもありましたが、デザインや使い勝手にこだわりたくなり、「いっそ自分で作ってしまおう」と決意。最近話題の「バイブコーディング(AIに任せる開発)」ならいけるという直感もあり、せっかくなのでアプリ開発してみました。ついでなので流行りのAI機能も盛り込むことにしました。
◆ 開発は驚くほどスムーズだった
開発パートナーに選んだのはClaude、言語は未経験だったSwiftです。実際に進めてみると、仕様を細かく伝えなくてもAIが「なんとなく」の形を提案してくれ、そこから微調整を繰り返すだけで動くアプリが完成しました。動くアプリの開発までのコーディング自体は、わずか1日程度でした。
◆ 開発環境
Xcodeの使いどころ
Xcodeはあまり使っていません。主に以下の用途に限定して使用しています。
- デバッグ作業
- シミュレータでの確認(画面崩れのチェックやスクリーンショット撮影)
- App Storeへの審査申請
Xcodeにも「Coding Intelligence」でClaudeが使える機能がありますが、個人的には最初は少し使い勝手がイマイチに感じました。ただ、2026年5月頃にAgentモードにも対応してから使いやすくなり、今ではVSCodeは使わずに基本Xcode、時々Claude Codeのクラウド環境で作業しています。
メイン環境は「VSCode + Claude」(当初)
当初の普段のコーディングは、VSCode上でClaudeを活用して進めていました。AIにベースのコードを書いてもらい、そこから細かい調整を指示していくスタイルです。
スマホでも開発
実は、開発の半分くらいはスマホ上の「Claude Code」で行いました。GitHubリポジトリに接続して直接プッシュまで行えるため、以下のような流れで開発しています。
- 外出先やリラックス中に、スマホで思いついたアイデアや修正を指示
- そのままGitHubへプッシュ
- 後でPCを開いた時にデバッグを行う
場所を選ばず、ゴロゴロしながらでも開発を進められるので非常に楽です。
Mac mini M4を選んだ理由
iOSアプリ開発PCはMac mini M4をメインにしています。持ち運びを考えればMacBook AirやProも候補でしたが、あえてMac mini M4を選んだ理由は以下の通りです。
- 価格: 他に比べて安い
- サポート: Apple Siliconは今後も長くサポートされることを期待
- 据え置きメイン: 外に持ち出す機会が少ない
- お気に入りの周辺機器: HHKB(キーボード)を使いたいのでキーボード不要
- リモート運用: ChromebookなどからリモートとでScで接続して使うことが多い
- AIメイン: AIコーディングが中心なので、本体のディスプレイは必須ではない。M4ならある程度のローカルLLMも動かせる
- 静音: 以前はIntel CPUのMacBookを使用していましたが、ファンの音が気になっていました。その点、Mac mini M4は無音で非常に快適
豊富なポート類とコンパクトなデザインも気に入っています。USB-Cポートが5つもあり、外付けSSDでストレージも拡張しています。
・私が使用しているMac mini m4(ストレージは256GBにして外付けSSDで不足分を補っています)
◆ 意外な壁、ハードウェアの更新
順調だった開発ですが、シミュレータでのテストで壁にぶつかりました。デバッグやApp Store用のキャプチャ撮影にはiPadのシミュレータが必要でしたが、手持ちの2014年製MacBook Proではスペック不足。仕事でも使うことを言い訳に、思い切って最新のMac mini M4を購入しました。
◆ 審査依頼とプライバシーポリシーの準備
アプリ完成後はAppleの審査が必要です。サイト制作の手間を省くため、GitHub Pagesを利用してプライバシーポリシーを用意しました。審査から承認までは1週間ほど見ておくのが無難です。審査員からの指摘への対応も、生成AIに相談すればスムーズに解決できました。ちなみに、やり取りは日本語で対応してもらえました。
◆ 一番の難所だった「屋号」への変更
アプリをリリースした際、デベロッパ名が個人名のままなのがどうしても気になり、屋号への変更を決意しました。しかし、これが想像以上に大変な作業でした。
開業届の提出から始まり、DUNSナンバーの取得、独自ドメインとメールアドレスの準備(フリーメールは却下される可能性があるため、お名前.comとさくらインターネットを利用)、さらにはGitHub Pagesでのプライバシーポリシー公開など、やるべきことが山積みでした。最終的に、英語に翻訳した開業届などをAppleに提出し、ようやく屋号で活動できるようになりました。
◆ リリースしたアプリたち
第一弾「暦変換AI」
こうして誕生したのが「暦変換AI」です。(App Storeはこちら) 西暦・和暦の変換はもちろん、その年の流行や世代背景、あるあるネタをAIがコメントしてくれる機能を搭載しました。また、家族の年齢などを忘れないよう、メモとして保存できる機能も付けています。
第二弾「スマート食材リスト」
屋号変更と並行して開発を進め、新作アプリをリリースしました。レシピサイトからAIが自動で買い出しリストを作成するアプリです。(App Storeはこちら) 「塩分控えめ」といったユーザーの要望に応じた調整や、分量の変更も可能です。また、食材名を自動で絵文字に変換し、視覚的に分かりやすくする工夫も取り入れました。
遊べるアプリ3本
その後、「遊べるアプリを作りたい」という構想を実現しました。旅行先や移動中に同行している人と一緒に遊べる、そんな場面を想像しながら作りました。
・ボードゲームAI App Storeはこちら オセロ・将棋・チェスに対応していて、AI対戦もできますが、スマホ1台あれば対人戦ができるというのがポイントです。どこかに出かけた時に、これ1本あれば何とかなる、くらいの感覚で設計しています。
・スマホで麻雀 App Storeはこちら iOS端末1台をホストにして、他のメンバーはAndroidやPCのブラウザから参加できます。麻雀は机を囲んで実物でワイワイした方が楽しいとは思うのですけど、皆バラバラでスマホを見ているよりは良いと思って作ってみました。ホストを立てるという発想など、エンジニアとしての普段の仕事で得たノウハウが活きた部分です。
・野鳥鳴き声サーチ App Storeはこちら 趣味で野鳥を撮影することがあるのですが、鳴き声から調べられるアプリを探しても自分が使いたいものが見つからなかったので作りました。AIを使って鳴き声から種類を判定する仕組みにしたのですが、精度を出すのにかなり試行錯誤しました。登山中などオフラインでも使える点や、コレクター魂を揺さぶる図鑑機能もあります。
◆ 収益が出るか
アプリ自体は使ってもらうことを優先して無料にしています。ただ、Apple Developer Programの年会費や開発者ページの維持などにかかる経費を回収できると良いなと思い、広告を邪魔にならない程度に入れています。収益は現状、月100円いくかどうかといった感じです。
3本作ってみても、相変わらずApple Developer Programの年会費を回収できる見込みはありません(笑)。それでも、「こういうの欲しかった」と思って作ったものが実際に動いているのは、やっぱり気持ちのいいものです。今後も継続してアプリをリリースし、改善を重ねながら、少しずつ使ってもらえるようになっていったらうれしいです。
◆ Webアプリも作ってみた
iOSアプリではリリースにかかる時間や制約があったりして、ちょっとしたアプリを作るには向いていない気がしています。ということでWebアプリを開発者ページで使えるようにしてみました。これなら手軽に公開できるのでちょっとしたアプリはこちらで公開しようと思っています。
◆ かかった費用と期間
Apple Developer Programの年会費(約15,000円)のほか、ドメイン取得などで数千円かかりました。開発自体は1日でしたが、環境構築や手続きを含めると、最初のリリースまでに1ヶ月ほどのプロジェクトになりました。
全てのアプリは開発者ページにまとめています。日々の暮らしのお供になれたらうれしいです。今後も、少しずつ良いものを作れるよう頑張っていきます。